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男の子に負けない。
タグラグビーチーム「静御前」奮闘、県大会3位に

男女混成が主流の小学生タグラグビーで、女の子だけのチームが鎌倉市内を拠点に奮闘している。源義経との悲恋で知られる女性の名を取り、チーム名は「静御前」。鎌倉らしさを前面に出すとともに、強く美しいプレーを見せようと名付けた。全国的に見てもきわめて珍しい存在だが、その強さも本物だ。
 軽やかな身のこなし、流れるようなパスワーク、相手を楽々と振り切るスピード―。大人顔負けのプレーを見せる"ラガーウーマン"たちは、練習の合間、ボールを持っていない時でさえ、自然と追っかけっこをしてじゃれ合う。
 現在チームには、市立深沢小学校を中心に6年生13人、5年生3人が所属している。11月の県大会では、41チーム中3位。南関東大会の出場は惜しくも逃したが、他チームが男の子のみか男女混成であったことからも、堂々たる成績だ。
 チームの結成は2008年春。鎌倉ラグビーフットボール協会主催のタグラグビー教室(中谷旭代表)で、強化チームを設けることになったのがきっかけだった。5年前から続く教室もメンバーが増加。一層のレベルアップを目指した。
 ただ、教室内の高学年は不思議と女の子ばかりだった。「単なる偶然だが、どうせなら女の子だけのチームも面白いと思った」と中谷代表。異色の挑戦がこの時スタートした。
 最初の年は目立った成績を残せず、09年春から弱点克服へ猛練習が始まった。男の子との差を埋めるため、筋力トレーニングを増やして脚力を強化。夏休みには徹底してサインプレーを磨き、パスの精度とチーム力の向上を図った。
 木部洋一チーフコーチ(67)は「秋の公式戦を戦うたびにチーム力は確かなものになり、好成績につながった」と指摘。キャプテンの西河紗弥さん(11)は「全国大会を目標に頑張ってきた。負けてしまった試合も1点差。実力は発揮できた」と振り返る。
 中学生になると、タグラグビーの大会がないため、多くの子は競技を離れる見込みだ。6年生にとっては残り3カ月。1月末には再び県大会がある。集大成へ、チームのエース・鵜川志帆さん(12)は「負けたチームにもう一度挑戦したい」と意気込みを語った。 (高田 俊吾)