本日は、今年1回目の技術講習会を実施しました。

昨年同様、「身体の動かし方」から。

34名のコーチの皆さんが参加してくれました。ありがとうございました!

 

内容は、重症事故が起こる要因となるコンタクトプレーの中で、自分の身体をコントロールできないことから重症事故につながるのではないか?という仮説があります。

 

それは私がブラッシュアップ講習会で聞いてきた向上学園ラグビー部で落っこった事例、藤沢RSのHCから聞いた、ハードタックラーほど怪我が多い中で、体操経験者は怪我が少ないという話などから。

 

そこで今回の講習は、小5が小3〜小4の間行ってきた、前転、後転、側転、前回り受け身などを紹介。

例えば、前転では手のつき方、頭の入れ方(おへそを見る等)、手をつかずに立ち上がるなど決められた動きを再現する、自分の思う通りに身体を動かすことに注意しながら練習していることを紹介しました。

 

昨年も書いたかもしれませんが、アジリティトレーニングの一環で前転、後転を入れているメニューを見ることがありますが、きっちりと型を再現するところまで注意していないんじゃないか?という例が見受けられます。転んだなりに手をついて起き上がる、足が揃っていない等。それが、「自分で動きをコントロールしている」状態なのかどうか?

もしこのような練習をするときには、このあたりのことをどう評価して練習で再現していくか?

各コーチの判断力に委ねられますが、基本は認識しておいてほしいと思います。

 

その他には、以前要望をいただいたラダーのメニュー紹介。

アジリティトレーニングでは、笛と同時に転がる方向を示して子供達は瞬間に指示された方向に転がるなどの受動的なものをよく見ますが、ラダーについては自分の意思で素早く動く能動的なアジリティトレーニングですね。

 

スキャモンの成長曲線によると運動神経系の発達は、6〜7歳で大人の90%程度まで発達、12歳までにほぼ100%近くまで発達すると言われています。

そのため、このようなアジリティトレーニングを低学年から行うことが推奨されていますね。

チームによると思いますが、サッカーではこの年代をゴールデンエイジと捉えて、ボールを扱う技術的なことよりも神経刺激のための練習を行うというのを聞いたことがありますね。

そんなように紹介を依頼されたこともあり、今回の講習会では紹介をすることにしました。

 

アジリティトレーニングは、別にラグビーだけで行っているわけではありませんから、他のスポーツをやっていた父兄の方も、ご自分でやられていたスポーツのアジリティトレーニングを各学年に紹介してもらうのも、アジリティトレーニングが多様化していいんじゃないかと思います。

是非、ご協力ください。

 

 

さて、最後にこの安全技術講習会の考え方を紹介します。

グラウンドでも説明しましたが、協会などが掲出している資料類を見ていると、重傷事故が起きた後の対応の資料が多く、「重症事故を起こさない」という視点で語られているのは「危険なタックルをしない」「怪我をしやすい姿勢を取らない」等と暑い時期の熱中症予防についてが主。

日常の練習の中で何をすべきか?ということへの言及は少ない印象です。

その中で、日常の練習に踏み込んで考えていくというのが、安全技術講習会になります。

 

どんな資料をみても、原因と結果について統計的に精査しているものがほぼない状態。そのため原因と結果がある因果律に基づいて語ることができず、何が正解か(これをやったら100%防げます)が判らない印象がありました。

 

そういった状態なので、現在コンセンサスがとれていると思われることを紹介していこうと考えています。先に書いた通り、絶対的に正しいかどうかまでは言えない状態。その事実をどのように解釈し、日々の練習に反映していくかは、各コーチの判断に委ねられることになります。

 

また、このような技術講習を積み重ねる中で、内容の精度を高めていくことも一つの目標と考えています。紹介されたことに対しての議論、他のメニューの紹介などを積み重ねることによって、他のRSにはない、鎌倉RS独自のカリキュラムにまで高められる可能性を持っていると思いますので、皆さんからの意見があると助かります。

 

それでは、本年も何かしら皆さんの刺激になるようなことを提供していきたいと思います。

よろしくお願いいたします。