8/12(日)はグラウンドが取れていないので練習が無い学年がほとんどだったと思いますが、午後に安全講習と安全技術講習が行われました。

お盆や夏休みの中、多数のコーチの方々が受講してくれました。みなさん、お疲れ様でした&ありがとうございました。

 

安全講習のテーマは「アイシング&ストレッチ」。鎌倉RSの杉山コーチから。

安全技術講習のテーマは「コーディネーショントレーニング&怪我予防のための運動指導」。こちらは初の試みで外部のトレーナー杉山尚也氏をお招きしての講習となりました。

 

<安全講習>

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今回のテーマである怪我をしてからのアイシングについては、各コーチも必要性は判っていると思います。ただ今回のように基礎的な知識から話されると理解が深まりますね。

アイシングが受傷後の対応とするとストレッチは受傷予防のための講義でした。コーチへの実感を促す講義スタイルは理解が深まる良い講義だしたね。

ちなみに、私はトゥアウト・二―インであり、膝の怪我をしやすい関節の使い方であることが判明。確かに靭帯損傷をしたことがあるという納得の結果。予防という意味では、35年くらい前(!!) に知っておきたかった・・・・。

 

以下は、杉山コーチからの感想です。

【8月12日(日) 安全講習を終えて】----------------------------------

 日曜日のしかも練習のない日にも関わらず、多くのコーチと父兄の方々にお集まりいただき、子供たちの安全のために私の話に真剣に耳を傾けて頂いた皆様に改めて感謝したいと思います。

 

今回のお話の内容は、急性外傷が起こった時の対処方法と発生しやすいケガとその発生機序および予防についてでした。

 

ラグビーというコンタクトが避けられない競技の中で、何が危険なのかを知ることで対策を考え、行動することが重要であり、そして残念ながらケガが発生した場合は、受傷部位をさらに悪化させないように速やかに対応するとともに発生機序を振り返り、さらに対策を練っていくことが必要不可欠であると考えて今回の内容にしました。

 

しゃべりが得意ではないため、どの程度お伝えできたか不安もありますが、大事なことはコーチだけではなく父兄の方々とも同じ画を見て、それぞれが考えて行動することで子供たちの安全に繋がるのだと思います。その流れがスクール全体に浸透すればさらに大きな力を生むと信じています。

 

コーチおよび父兄の皆様、今後とも宜しくお願い致します。

今後日々のコーチングの中に活かしていって欲しいと思います。

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また、安全委員長の池田コーチからは以下の通りのコメントがありました。

(池田コーチより)------------------------------------------------------

今回の安全講習の講師は、スクール内のコーチである杉山さんに強引にお願いしました。
我々コーチの中でもこのような方がいらっしゃるのは本当にありがたく、また強みですね。
アイシングがなぜ必要なのかをしっかり理解でき、とても有意義な安全講習でした。
講師の杉山コーチには、あらためて御礼申し上げます。
今後もよろしくお願いしますね!

 

 

<安全技術講習>

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さて、安全技術講習は外部講師からの講習としました。

今回の講習の「コーディネーショントレーニング」というのは、私自身は知らないことでしたので興味深かったです。

コーチの皆さんも、いろいろ考えて日々子供たちにトレーニングを行っていると思いますが、基礎理論的な知識を得ることで、今までやってきたことにより自信をもったり修正をしたりする機会になることを期待して講習をお願いしました。

 

コーディネーショントレーニングは、旧東ドイツのスポーツ運動教育のクルト・マイネルが提唱した理論がベースになっています。旧東側陣営のスポーツは、ソ連(現ロシア)を筆頭に国策で、トップアスリート養成のための考え方だったようです。

(以下は、講義内容と事前に話を伺った時の話から説明)

この考え方は、運動能力を

「定位」・・空間把握能力/ボールとの距離感・位置の認識、相手との距離感・位置の認識等

「変換」・・動きの切り替え、体重移動/ステップによる方向転換等

「リズム」・・動作のタイミングを上手く合わせる/スキップなどに代表されるリズミカルに身体を動かす

「反応」・・外部の刺激に対しての対応(速度)/徒競走のスタート等、ディフェンスで相手の出方に合わせる等

「バランス」・・自分の軸を保つ、崩れた姿勢でも態勢を保つ/転びそうになっても立て直せる等

「連結」・・身体の各部位を連動して動かす/走りながらのパス

「識別」・・視覚に基づく、動体視力なども/

の7つの構成要素と捉えて考えること。

これらの個々の能力を高めることもトレーニングとしてはアリですが、コーディネーションは個々の能力が連動して滑らかに動くようにすることのようです。これを称して「調整力」と言っていましたね。

※「調整力」は、各能力をバランスよく発露させる能力のようです。

巧緻性,協応性ともいう。体力の一要因とされる身体的能力で,身体各部および感覚,知覚などを合理的に動員して複雑な運動技術を生み出す能力。スピード,バランス,タイミング,反応時間と相関関係が深く,高度の技術を要するスポーツにはきわめて重要な要素とされる。(ブリタニカ国際大百科事典からの引用)

 

例えば、実例として紹介があった「クラップキャッチ」に必要な能力は「識別」「変換」「リズム」として、それらがバランスよく発露すること。コーチする側からいえば、クラップキャッチが出来ない時に、この3つのどの能力が弱いか?などを判断してコーチングに活かしていくということだそうです。

一概に「なんで出来ないんだ!」ってことににならないように・・・・・

 

運用として難しさを感じたのは、ラグビーの個々のプレーに必要な能力の規定、評価はコーチ側で行わなければならないこと。キックオフのボールキャッチであれば「位置」「識別」だと思いますが、ゴロになると(どう転がるか判らない)ボールへの「反応」が必要になりますし、キャッチの仕方によっては「バランス」、キックオフリターンまで考えると「変換」「連結」が必要になってくるので、どの時点までを考慮して練習を構成するかということと、子供達が出来なかった場合にどの能力について注意を促すかという観察が必要になるということ。

これが他のプレーでもいろいろありますし、こうすればイイ、という一律的なものがないので、コーチングする側がなかなか大変だと思います。

 

ただ、今年から取り組んでいるコーチ資格制度の考え方は、目の前の子供に対して最善のことができるのがコーチであり、コーチはいろいろな知識に裏付けられた判断によって(安全対策として)コーチングできるようになるということをゴールと想定しています。

そういった意味では、考えながらコーチングをするための一つの考え方としては良いと思って講習を構成してもらいました。

 

ちなみに、コーディネーショントレーニングは低年齢層から行って、中学、高校へとそれぞれの競技に入って行った時にスキルを身に着け発現できるようにするのが良さそう。長期的な展望があると、一層効果的なのかもしれませんね。

個人的には、この辺りの「計画性のある育成」みたいなところに旧東側陣営らしい考え方だなぁと感じてしましました。安全対策と言う点では即効性のある話ではないのですが、怪我予防の土台となるものとして捉えていただけると良いかと思います。

 

今後も鎌倉RS内にいらっしゃる優秀なリソースの活用と外部の講師の活用という二輪で、安全運営の知識となることを皆さんにお伝えできたらと考えています。

引き続きよろしくお願いいたします。